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9/1UP予定_【ザラザラのひみつ】~猫の舌について~

こんにちは。レティシアンスタッフのMです。

皆様は、猫の「舌」について意識したことはありますか?

愛猫とのスキンシップ中にふと舐められて「すごくザラザラしている!」と驚いた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

猫の舌はグルーミング(毛づくろい)や食事、水分補給などで役に立つだけでなく、健康状態を知る手がかりにもなるなど、日常生活においてとても重要な役割を果たしています。

今回はそんな猫の「舌」に注目し、その構造や働き、ちょっとした豆知識をご紹介いたします。

猫の舌の構造

猫の舌は、一見すると人間や犬と似ているように見えるかもしれませんが、実はとても特徴的な構造をしています。

その最大の特徴は、舌の中央表面にびっしりと並んだ「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と呼ばれる小さな突起で、これこそが猫の舌がザラザラしている正体です。これは人間の毛や爪と同じ「ケラチン」という硬いタンパク質でできており、すべてが後ろ向きにカールしているため、舌全体がまるで細かいブラシのような構造になっています。

このユニークな構造のおかげで、猫は自分の体をグルーミングして皮膚や被毛を整えたり、食べ物をしっかりと舐め取ったりすることができるのです。

猫の舌が果たす3つの役割

グルーミング(毛づくろい)

猫にとってグルーミングはとても大切な日課であり、健康的な生活を送るうえで欠かせない行動のひとつです。上述のとおり、猫は糸状乳頭を使って皮膚や被毛を整えることで、汚れや抜け毛を取り除き、皮膚の健康を維持しています。

また、猫は汗をかきにくい動物のため、人間のように汗をかいて体温を下げることができません。暑いときにはグルーミングによって唾液を皮膚に塗布し、気化熱で体を冷やすことで体温調節を行っています。これは糸状乳頭が毛の根元までしっかり届くからこそできる、猫ならではの特徴です。

食事のサポート

猫は本来肉食動物です。自然界では獲物の肉を骨からこそぎ取るために、このザラザラとした舌が大活躍していました。現代でも猫たちがウェットフードやとろみのあるおやつを食べるときには、糸状乳頭に引っかけて逃がさないようにすることで、スムーズに食べることができているようです。

また、ドライフードを食べるときも猫は舌を器用に使っています。猫の食べ物の拾い方(捕捉法)は以下のような方法が知られています。

・舌上法(ぜつじょうほう)
→舌の上側を使って、すくうようにして食べる方法

・舌下法(ぜっかほう)
→舌の下側にフードを巻き込み、まくり上げるようにして口へ運んで食べる方法

なお、舌を使って食べ物を拾う方法以外に、唇でフードを挟む方法や前歯でつまむ方法もあり、一般的には舌を使わずに食べ物を捕捉する「口唇方式」が使われているようです。

猫の食べ方にはそれぞれ個性があり、独特な癖が見られることもあります。愛猫がどのような食べ方をしているか気になる方は、透明な容器や台の上でフードをあげて、その様子を下から観察してみてください。動きがよく見えてとても興味深いのでおすすめです。ちなみに、我が家の猫は舌上法で食べているようでした(笑)

水分補給

猫の水の飲み方は、舌の先端をちょんと水面につけ、素早く引き上げて水柱をつくり、それを飲み込んでいます。これは糸状乳頭の後ろ向きカールと表面張力を利用した非常に高度な飲み方です。一連の動作はわずか1秒間に4回ほど繰り返されるといわれており、スローモーションでなければ確認できないほどのスピードです。

こうした飲み方の背景には、猫のルーツである砂漠地帯出身のリビアヤマネコの存在があるといわれています。猫の体は水が貴重な環境に適応するために、水分を体内にとどめておく能力が高いとされています。

砂漠のような豊富に水が得られない環境では、飲めるときにはこぼすことなく確実に水を摂取することが重要になるため、水をこぼさず必要な分だけ飲むことができる、この高度な方法を身につけたようです。

個体差はあると思いますが、あのすばやく舌を使う飲み方はスマートな猫ならではの方法ですね。

猫の味覚について

猫の舌には、糸状乳頭を囲むように「味蕾(みらい)」と呼ばれる味を感じる器官があります。その数は500個以下といわれており、人間の約5,000~9,000個と比べると非常に少なく、「味覚が鈍い」とされています。
そして、猫の味覚の感度は「酸味>苦味>塩味>甘味」の順番だといわれています。人間が感じ取れる5つの味(五味)のうち、猫にとっての味覚の特徴をまとめると以下のようになります。

酸味

一般的に猫は酸味に対して敏感で、強い酸味のあるウェットフードなどは好まれにくい傾向があります。ただし、リン酸やクエン酸などの一部の酸味成分は好んで摂取することもあり、すべての酸味を嫌うわけではないようです。

苦味

猫は苦味に非常に敏感で、犬よりも感度が高いとされています。また、苦味は多くの場合、毒物や腐敗物に含まれることが多いため、本能的に避けるよう進化してきたと考えられています。

塩味

猫に限らず、真性肉食動物は塩味に鈍感な傾向があるようです。肉食動物は、獲物となる動物の体内にすでに十分な塩分があるため不足しづらく、塩分補給のために食べ物を選別する必要はあまりありません。このため塩味に対する味覚が発達していないと考えられています。

旨味

グルタミン酸・イノシン酸・グアニル酸といったアミノ酸由来の旨味成分は、肉類などに多く含まれているため、猫もよく反応するといわれています。実際、イノシン酸を含む食材が使われているキャットフードもあるので、猫の「おいしい」と感じるポイントには、こうしたアミノ酸由来の旨味成分が深く関係しているのかもしれませんね。

甘味

猫の舌にも甘味を感じる受容体は存在しますが、不活性であるため、猫は甘味を感じることができないと考えられています。
ただし、アラニン・プロリン・リジン・ヒスチジン・ロイシンなどの「甘いアミノ酸」を好み、トリプトファン・イソロイシン・アルギニン・フェニルアラニンなどの「苦いアミノ酸」を避ける傾向があるそうです。決してすべての甘味がわからないのではなく、「アミノ酸由来の甘さ」は認識していると考えられています。

「猫=猫舌」は本当なのか?

「猫舌」という表現は、人間が熱い食べ物や飲み物を苦手とする様子を指しますが、実際には人間以外のすべての動物が「猫舌」と考えられています
熱さを苦手とする理由のひとつとして、「舌や口の中の粘膜がとても敏感であること」が関係しています。
猫はもともと肉食動物で、狩りをしていた名残で新鮮な生肉や常温の食べ物を食べる生活に適応してきました。そのため、熱い食べ物を口にする機会がほとんどなく、熱い物に対する耐性がありません
一般的に猫が快適に感じる食べ物の温度は、獲物の体温程度(約38℃前後)です。熱すぎると警戒して口をつけませんし、冷たすぎてもにおいが立ちにくく食欲が落ちることがあります。
また、猫は熱い物をフーフーして冷ますことができません。一度やけどをしてしまうと、その食べ物自体に強い警戒心を抱いてしまい、その後の食事に影響することもあります。人間にとってはぬるい程度の温度でも、猫にとっては熱すぎるということがあるため、フードを温めて猫に与える場合はしっかり温度を確認してから与えると良いでしょう。

舌の様子でわかる体調不良のサイン

猫の体調不良は外見からは気づきにくいため、日常のちょっとした行動や見た目の変化に気づいてあげることが、健康管理においてとても重要となります。
その中でも、「舌」は意外と見落とされがちですが、健康状態を映す鏡のような存在です。
健康な猫の舌は、潤いのあるピンク色で、うっすらと舌苔<※1>が見られます。
以下のような変化が見られる場合は、体調不良のサインである可能性があるため、注意が必要です。
<※1>苔(ぜったい)とは、舌の表面に付着する白い苔状の汚れのこと

赤っぽい舌

発熱、高体温、止血異常の可能性

白っぽい舌

貧血、低血圧の可能性

黄色っぽい舌

 黄疸の可能性

青紫がかった舌

酸素不足、呼吸や循環器に異常がある可能性

カサつくほどの極端な乾燥

脱水の可能性

さらに、舌の色や状態に加え、唾液の量やニオイ、口の動きにも目を向けると良いでしょう。いつもと少しでも違うと感じた場合は、早めにかかりつけの獣医師様に相談することが大切です。特にシニア猫や持病のある猫は、小さな変化が大きなトラブルの前兆となることもあるため、日頃から愛猫の舌や口元をよく観察し、注意深く見守るようにしましょう。

まとめ

猫の舌は、グルーミング(毛づくろい)や食事、水分補給といった、日常の行動を支える大切な器官です。その独特な構造や味の感じ方には、猫ならではの特徴があり、本来の食性や生活環境に適応してきた名残が表れています。また、舌の状態によって体調不良のサインになることもあるため、健康チェックのひとつとして注目したいポイントです。ぜひこの機会に、愛猫の舌に少しだけ意識を向けて観察してみてくださいね。

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