• Twitter
  • FaceBook
  • instagram
  • LINE

8月第1週UP_『猫にお風呂は必要?』~猫の水嫌い・お風呂嫌いについて~

こんにちは。レティシアンスタッフのHです。
「猫=水嫌い」と多くの方がそんなイメージをお持ちではないでしょうか?
実際に猫を飼っているオーナー様なら、一度はお風呂の大変さを実感したこともあるでしょう。SNSでも、お風呂に入れようとすると大パニックになって逃げまわる猫の動画が話題になることがありますよね。
では、なぜ猫はこんなにもお風呂を嫌がるのでしょうか?
そして、そもそも猫にお風呂は必要なのでしょうか?
今回は、そんな「猫の水嫌い・お風呂嫌い」について詳しく解説していきます。お風呂に関するお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひ最後までお付き合いください。

なぜ猫はお風呂が嫌いなのか?

被毛や体質が関係している?

猫の被毛には、大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは「シングルコート」と呼ばれるタイプで、トップコートまたはアンダーコートどちらか一方のみで構成されている被毛です。
もうひとつは「ダブルコート」と呼ばれるタイプで、硬めの長い毛(トップコート)の下に、ふんわりとした短い毛(アンダーコート)が生えている二重構造の被毛です。
特にダブルコートの猫に見られるアンダーコートは、非常に細く柔らかいため、水に濡れると毛がぺたんと潰れてしまい、乾かすのにもかなりの時間がかかってしまいます。
また、猫の毛は犬と比べて油分が少なく、撥水性も低いため、一度水を含むと地肌までびしょ濡れになりやすいのが特徴です。
いわば、雨の日にカッパを着ずに外を歩き、服の下までぐっしょり濡れてしまったような不快感に近いかもしれません。
さらに、犬は濡れた体をブルブルと震わせて全身の水を払うことができますが、猫は首周りしか震わせることができず、全身の水を払い落とすことができないため体が冷えてしまいます。
こうした理由から、猫にとって水に濡れること自体が強いストレスになるのです。

祖先が暮らしていた環境に関係がある?

猫が水を嫌がるもうひとつの理由として、祖先が過ごしていた環境が関係していると考えられています。
現在のイエネコの祖先であるリビアヤマネコは、アフリカ北部やエジプトといった乾燥した砂漠地帯に生息していました。こうした地域では水場が非常に少なく、日常的に水に触れる機会がほとんどなかったため、水への親しみが定着しなかったと言われています。
また、砂漠は昼夜の寒暖差が激しいため、気温が大きく下がる夜間に体が濡れていると体温が奪われ、命にかかわる危険性が高まります。そのため、本能的に水を避ける行動を取るようになったと考えられています。
こうした生存本能が現代の猫たちにも受け継がれ、「水は危険なもの」と感じる性質につながっているのかもしれません。

逆にお風呂が好きな猫もいる?

一般的に猫は水を嫌う動物として知られていますが、すべての猫がそうとは限りません。
例えば、トルコ東部のヴァン湖周辺を起源とするターキッシュ・バン(別名:トルコの泳ぐ猫)という猫種は、水を好むことで有名です。ターキッシュ・バンは毛に防水性があり、皮膚に直接水がかからないため、濡れてもすぐに乾くという特徴を持っています。そのため、水に対する抵抗感も他の猫種に比べると少ないと言われています。もちろん、同じ猫種でも個体差はあります。
水への感じ方は猫それぞれですが、実は「水に濡れるのは苦手なのに、お風呂場にはなぜか興味津々」という猫も少なくありません。次は、水が苦手でも“お風呂が気になる”猫たちの行動についてご紹介いたします。

お風呂嫌いでもお風呂場についてくるのはなぜ?

「うちの猫、お風呂までついてくるんです」そんな経験をお持ちのオーナー様もいらっしゃるのではないでしょうか。脱衣所や浴室の前でじっと待っていたり、中を覗き込んだりする姿を見ると、まるでオーナー様を心配しているように見えますよね。
猫がそうした行動をとる理由にはいくつかの可能性があると考えられています。
まずひとつは、単純に「気になる」から。毎晩のようにオーナー様が入っていく空間から聞こえる水の音や、浴槽の水面の揺れなど、猫にとっては好奇心を刺激される要素がたくさんあるのです。「中で何が起きているの?」「何か面白いことがあるのかも」と興味津々で覗きに来る子も多いようです。
また、「オーナー様と一緒にいたい」「もっとかまってほしい」といった気持ちが背景にある場合もあります。お留守番が長かったり、なかなかかまってあげられていなかったりすると、猫はオーナー様のそばを離れたくないと感じることがあります。お風呂場ではオーナー様があまり動かないため、「注目してもらえる場所」として好んでついてくることもあるようです。
ただし、こうした“そばにいたい”という気持ちが強くなりすぎると、「分離不安」と呼ばれる状態につながる可能性もあります。分離不安とは、オーナー様と離れることに強い不安を感じてしまう状態で、過剰な鳴き声や粗相などの問題行動につながることもあります。もし猫の様子に気になる変化が見られるようであれば、行動学を専門とした獣医師に相談することをおすすめします。

猫にお風呂は必要なのか?

お風呂場に興味を示す一方で、実際に水に触れることは強く嫌がる…。
そんな猫の姿に、思わず笑ってしまうこともあるかもしれません。
とはいえ、いざ体が汚れてしまったとき、「お風呂に入れた方が良いのか?」と迷う場面もあるでしょう。「そもそも猫にお風呂は必要なのか?」ここからはそんな疑問についてお話をしていきたいと思います。

基本的には必要ない

実は、多くの猫にとってお風呂は基本的に必要ないとされています。
その理由のひとつは、「猫がもともと体臭の少ない動物である」という点です。猫は人間のように汗をかくことがほとんどなく、皮脂の分泌も少ないため、においが気になることはあまりありません。
さらに、猫には「グルーミング」と呼ばれる毛づくろいをする習性があり、日常的に自分の被毛を舐めて整えることで、体を清潔に保っています。このグルーミングには汚れの除去に加えて、皮膚の健康維持や体温調節など、猫の健康管理に欠かせない役割も担っているのです。
また、完全室内飼いであれば汚れる機会も少なく、日々のブラッシングだけでも十分に清潔さを維持できます。
こうした理由から、特別な事情がない限り、猫に定期的なシャンプーを行う必要はないと考えられています。
とはいえ、どんな猫でもまったくお風呂が必要ないというわけではありません。
体質や生活環境、健康状態などによっては、シャンプーで清潔を保つ必要が出てくることもあります。ここからは、猫にお風呂が必要となる具体的なケースや、シャンプーを行う際の注意点についてご紹介していきます。

お風呂が必要なケース

【ケース1】皮脂が多くてベタつきやすい猫にはシャンプーが有効
一部の猫種は皮脂の分泌が多く、毛がべたついたり、フケが目立ったりすることがあります。特に、縮れた毛が特徴のレックス系の猫などは、脂漏性皮膚炎などの皮膚トラブルを起こしやすいため、ブラッシングだけでは十分にケアできないこともあります。
こういった場合には、皮膚を清潔に保ってあげるため定期的なシャンプーが必要になるケースもあります。
なお、皮膚の状態が悪化している場合は自己判断せず、必ず獣医師に相談したうえでシャンプーを行いましょう。

【ケース2】排泄物で汚れてしまったときは早めのケアを
排泄物が被毛についてしまった場合や、植木や家具などの汚れた場所に入り込んで体が汚れてしまったときには、部分的、あるいは全身のシャンプーが必要になることがあります。特に長毛の猫は汚れが絡まりやすく、不快感や皮膚炎の原因にもなるため、早めのケアが大切です。ブラッシングやウェットシートで落としきれない汚れがある場合は、優しくシャンプーをしてあげましょう。ご自宅でのお風呂が難しい場合は、トリミングサロンや動物病院に相談すると安心です。

【ケース3】太り気味でグルーミングができない子にはサポートが必要
猫は本来、自分で毛づくろいをして体を清潔に保ちますが、肥満や加齢、病気の影響でグルーミングが十分にできなくなることがあります。体の一部に汚れが溜まったり、毛玉ができたりする場合、オーナー様によるシャンプーやケアが必要になることもあります。
また、グルーミングをあまり行わない性格の猫や、ブラッシングを嫌がる猫も同様に、定期的な清潔ケアが求められます。シャンプーの頻度や方法は猫の状態によって異なるため、心配な場合はかかりつけの獣医師に相談して、負担の少ない方法を選んであげましょう。

猫をお風呂に入れるときのポイント

猫をシャンプーする際の手順や押さえるべきポイントを以下にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

【手順1】背中からまんべんなくお湯をかける
◎ポイント
お湯の温度は38℃前後で、水流を弱めに設定し、シャワーヘッドを猫の体に直接当てながらお湯をかける

【手順2】シャンプーの泡で素早く洗う
◎ポイント
背中、お尻回り、足先、頭の順に優しくマッサージするように洗う

【手順3】顔回りからお尻へとすすぐ
◎ポイント
手順1と同様、シャワーヘッドを猫の体に直接当て、上から下にシャンプーを流す

【手順4】すすぎ残しがないようしっかり洗い流す
◎ポイント
シャンプー残りは皮膚トラブルの原因になるので、洗い流しはしっかりと行う

過去のコラムでシャンプーの手順について詳しく説明していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
【シャンプー】~ワンちゃん・ネコちゃんの大切なお手入れについて~

ただ、無理矢理シャンプーを行う必要はないので、ご自宅でのお風呂が難しい場合は、お近くのトリミングサロンや獣医師に相談することをおすすめします。

まとめ

ここまで猫の水嫌いやお風呂事情についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
結論としては、基本的には猫にお風呂は必要ありませんが、毛づくろいが苦手だったり、皮脂の分泌が多かったり、皮膚の状態にトラブルがある猫の場合はお風呂が必要になるケースがある、ということになります。
私の実家で飼っている猫も少し太り気味であまり毛づくろいをしないタイプなので(笑)今後は注意して見守ってあげたいと思います。
オーナー様の愛猫はいかがでしょうか?
もし「うちの子も当てはまるかも」と思ったら、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。
このコラムがネコちゃんとの暮らしに少しでも役立てば嬉しいです。

この記事をシェアする
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE